和秋建設 前田です。
地元の木材を使う、その強い思いで活動していくと
木をいつの時期も伐採して
人工乾燥の高温の窯に入れて出荷する流れで
大量生産型の木材の流通ができていて
昔のやり方(自然乾燥)をやってくれるところがなかなか見つからなかったです。
私たちが考えたのは、一般の人はわかりにくいと思いますが
木材には年輪があり年輪の一つで一年というとらえ方をしますが
一年間育つ中でも、年輪には冬目と夏目というものがあって
その冬目と夏目が重なって年輪は出来上がっていきます。
成長スピードが違うので細い濃いところが冬目でその間の薄いところが
夏目といいます。
冬場はじっとして成長スピードも遅くなるので
色の濃淡が出て一年の年輪として見えるようになります
昔の山では一年中木材を切ったりしないで
切り旬というのがあり秋から冬の成長スピードの遅い時期に木材を
切っていました。
その木材をじっくり自然乾燥させ
大工さんに墨付けして手刻みしてもらうのが
昔のやり方です。
今のやり方だと時間短縮はできますが、一年中木を切って
高温乾燥して プレカットして出荷する
どれだけ時間の差があるかは想像できると思います。
どうしても 写真のように自然乾燥は表面に割れが入ります
人工乾燥材は表面に割れは入らないですが内部のほうで芯割れを起こします。
芯割れのほうが手刻みする私たちは仕口や継手えをつくる時は嫌なものです。
また人工乾燥をする際、化石燃料を大量に使いCO2を出しながら乾燥します。
切り旬を考え自然乾燥し地元の材で建つ
木材運送の距離も地元材なので断然短くなるので
CO2削減になります。
家造りでもエコのほうがいいと思います。
そんな時間と手間のかかる自然乾燥材を納入してもいいよと言ってくれる
製材が見つかりました。
和歌山の那智勝浦の製材所さんで 大型の製材所ではないので
自然乾燥された材をメインに昔からやっていたとのことでした。
大型のところは人工乾燥の窯を設置し大量生産をして
乾燥にかかる日にちの短縮に努めているのと大きく考え方が
違っていました。(お金もなかったから大型の乾燥機設置できなかっただけだよ
と笑いながら話をしてくれましたが)
逆にそれが私たちにとっては良かったことでした。
同じ和歌山で県庁所在地である和歌山市で使ってくれるのならと
始めは手探り状態で、年間5棟くらいからという話で進んでいきました
大量の木材となると一年前から仕込んでおかないといけないので
徐々にやっていくことになりました。
今から16年くらい前の話になります。
手間のかかることをよく続けてこれたと思います。
山側 製材 その木材を使って手刻みしてくれる大工さん
地元の木を使って、昔は当たり前にやっていたやり方で
家をつくるということに共感してくれ同じ思いで集まれたから
続いてこれたんだと思います。
でもいろんな問題も起きそのたび乗り越えていくことになります。
昭和39年5月29日生まれ
一級建築士
一級施工管理技士
宅地建物取引士
和歌山県和歌山市生まれ
地産地消の考えのもと全国に誇れる資源の紀州材を環境に優しい自然乾燥で大工さんの手刻みにこだわり、家の中の空気がおいしいなと思える家づくりを行っています。