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ウッドショックと紀州材

和歌山市和田で着工している作業場新築工事の木材が加工場に納入され始めています。これから大工さんが墨付けをしながら手刻みの作業に入っていきます。

今月中に有田川町の木材も入ってきて加工が始まります。いつも地元の紀伊山地の山から出てくる木材を自然乾燥して納入してくれている紀州熊野木材さんには

感謝しています。

私が自然乾燥の紀州材を知ってお付き合いを始めてから早いもので17年位になります。

始めの頃はお互い若く、どれだけ購入してくれるかまだわからない中、木材をストックして自然乾燥の木材を入れて欲しいと

お願いに行ったことを

今も忘れられません。同じ気候風土で育った木材を使って同じところで建てる、昔では当たり前に行われてきたことが年々難しくなってきています。

一年中木材を切り、山から降ろして高温乾燥機に入れて乾燥させるサイクルが今の日本の住宅に使う木材の一般的な姿です。

また国産材より外材のほうが値段も安かった為、国産材は外材に押されて日本の林業も、衰退していく方向に進んできました。

私はそんな中でも地元木材を使い、化石燃料を使った乾燥をしない方法で出来ないものかと考え、今の形になりました。

CO2を出しながら乾燥するのも、外国から船で長距離を運搬するのも、地元の木材を自然乾燥して搬入する方法のほうが地球に優しくエコだと私は信じてやっています。

また和歌山県で生まれ育つ紀州材は次のような特性を有しています。

1 色合いが良く、つやがでる。

2 目合いが良く、素直な木で狂いが少ない。

3 強度・耐久性に優れている。

特に強度については、紀州材には「強さ」があると評価されてきましたが、実際にどれくらいの強さがあるのか和歌山県が県の林業試験場にて試験研究を行った結果、

紀州材の杉の曲げヤング係数の分布は71.6%がE90以上になっています。桧に関しては91.5%がE110以上になっている結果が出ていて全国の基準値を上回っており、

全国的にみても和歌山の紀州材は他府県の木材と比較しても胸を張って誇れるものだと私自身使った上で感じております。

ウッドショックの影響で安かった外材が2021年の初め頃、国産材の製材価格の推移で逆転して今では外材のほうが価格的に高い傾向になっています。

お付き合いしている紀州熊野木材さんの所にも、木材を新規に取引をお願いしたいと言う話も来ているみたいですが、昔からずっと付き合いしているところを優先して基本新規とは

付き合いはしていないそうです。ウッドショックが終わり国産材より外材が安くなるとまた外材に戻ることが今までにもあったそうなので、

商売人としては高い時も安い時も、いいものだと思って買ってくれるところに納入したいとの話を聞いて、これぞ本当の商い人の話だと私は感じました。感謝

代表取締役 前田 純
株式会社和秋建設前田 純(まえだ ひとし)

昭和39年5月29日生まれ

一級建築士
一級施工管理技士
宅地建物取引士

和歌山県和歌山市生まれ

地産地消の考えのもと全国に誇れる資源の紀州材を環境に優しい自然乾燥で大工さんの手刻みにこだわり、家の中の空気がおいしいなと思える家づくりを行っています。

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