大屋根・畑・ながいおかと暮らす家
畑がある東西に伸びやかな敷地に建つ仕事場のある住宅です。
大屋根、深い軒下、板張りの外壁、縁側、土間…。「懐かしさ」を感じる住まいの風景。
小さい頃に育った実家には土間や縁側があってよく近所の人が腰掛けてお茶をしていた。ほんのひと昔前までどこにでもあった住まいの原風景が、家づくりのベースになっている。大きな屋根の下にはほとんどが土間となるLDKがあり地面に近い目線で四季の移ろいを間近で感じる。南に面した開口は、縁側の庇により夏の暑い日差し防ぎ、冬は低く差込む暖かな日差しを取り込む。トップライトからの光は壁を照らし季節や時間帯によって異なる表情をつくりだしゆったりとした時間が流れる。
トイレ、洗面、浴室、物干し場、衣類収納は集約して家事動線はできるだけ短く手間を減らして家族の時間を楽しめるように。庭には丘のような起伏を設け、畑と住まいを緩やかにつないでいる。畑では野菜や草木を育て食住が重なり合う日常を目指した。
木造2階建:延床面積149.89㎡(45.34坪)
設計 カキイロアーキ
写真 笹の倉舎 / 笹倉洋平